ラボダイアリー2026.10.06
【発表報告】IFSCC2026@パースで発表を行いました
2026年9月28日から10月1日まで、オーストラリアのパースで開催されたIFSCC 2026(International Federation of Societies of Cosmetic Chemists:国際化粧品技術者連盟の国際会議)でポスター発表を行いました。皮膚生理学研究室の成果を初めてIFSCCで発表することができました!
発表タイトル
A Heat-Reactive γ-Docosalactone Enables Durable Repair and Prevention of Chemical-Induced Protein Carbonylation in Hair without Compromising Bleaching Lift or Color Development
(日本語訳:熱で反応するγ-ドコサラクトンが、ブリーチやカラーの性能を損なわずに毛髪の化学ダメージを修復・予防する)
研究の背景
ヘアカラーやブリーチなどの化学処理は、毛髪を美しく仕上げる一方で、毛髪を構成するタンパク質にダメージを与えます。その代表的な変化の一つがタンパク質のカルボニル化です。タンパク質に酸化ストレスなどが加わることで生じるこの変化は、毛髪のハリやコシの低下、ダメージの蓄積につながると考えられています。
ダメージを修復する素材は数多くありますが、課題となるのはブリーチによる脱色効果やカラーの発色を妨げずに、いかに修復と予防を両立させるかという点です。今回の研究では、熱によって反応する性質を持つγ-ドコサラクトンに着目し、この課題に取り組みました。
ポスター会場では、海外の研究者や企業の方々から多くの質問をいただきました。研究の作用機序、処理条件、実用化に向けた課題など、多方面からの視点は、研究の今後を考える上で非常に貴重なものでした。いただいたご意見は、今後の研究内容に反映させていく予定です。特に、評価の方法や適用条件に関する質問は、次の実験計画を考える上での重要な手がかりとなります。研究室一同、さらに研究を発展させ、社会に還元できる成果を目指してまいります。
謝辞・今後の展望
本研究は、日本精化株式会社様との共同研究で実施しました。改めて御礼申し上げます。何より、修了生・卒業生を含め多くの学生の研究の積み重ねを1つの発表としてIFSCCで発表できたことは感慨ひとしおでした!今回は私が発表を行いましたが、いつかIFSCCの晴れの舞台で学生・大学院生が発表してくれることを目指して研究室を運営していきます!(仁木)
