メディア2020.08.17
英国の化粧品入門書 ”Discovering Cosmetic Science” の書評
新型コロナ第2波の先行きが見えないのと猛暑のダブルパンチを受け、帰省はおろか近場への外出も憚られる今日このごろですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?この猛暑の中、熱中症と新型コロナの症状の見分けがつきにくく、ただでさえ大変な医療現場に更なる負荷がかかっているようですが、全国規模での天候不順も含め、悪いことは本当に重なるものですね。
さて、今日は今秋英国で発売となる化粧品の入門書“Discovering Cosmetic Science”をご紹介します。本書は英国王立化学会(Royal Society of Chemistry)が英国の化粧品技術者会(SCS: Society of Cosmetic Scientists)に出版を依頼したもので、その目的は化粧品の初心者、入門者に正しい科学的知識を提供することで、対象は化粧品に興味を持つ一般人、化粧品学を専攻する学生、化粧品関連会社の新入またはキャリアの浅い社員、ネットのブロガーなど広範囲に及びます。
本書はかつてSCSの会長を務め、現在は英Skin Thinking Ltd.でコンサルタント業を営んでいるStephen Bartonが監修して、各章は英国の化粧品会社または業界団体に所属する専門家が執筆を担当しています。実は、今回SCSから本書の書評を依頼され、今年の5月に一足早く版下を受け取りました。読んでみると各章の内容も全体の構成も素晴らしく、文句のつけようがない書籍だったので、社交辞令抜きの以下のコメントを書きました。このコメントが本書の裏面カバーに印刷されまもなく発売になります。
This book does perfectly what it was intended to do. To provide a warm welcome and helpful support to the novices, giving them all they need to understand the scientific, commercial and regulatory aspects of cosmetics and the industry. But it does more. The intermediates will find it just as helpful learning and gaining insight into disciplines they are not particularly familiar with. The experts will find this to be an excellent teaching material. The book is comprised of cohesive chapters, yet chapters of particular interest can be read individually to make perfect sense. Overall, I cannot say enough good things about this book. A must item for anyone of any level interested in cosmetic science and the industry. Thoroughly recommended.
世界的に見ても化粧品の教科書・入門書は少なく、現状がアップデートされた入門書の登場は大変タイムリーで歓迎すべきタイミングだと言えます。コロナは当分終息する気配がありません。外出もあまりできない中、今年の秋の夜長は是非この本の読破にチェレンジされてはいかがでしょうか?化粧品と英語を同時に学べてまさに一石二鳥。その後は心地よい睡眠が約束されますよ! (神田不二宏)