トピックス2024.07.23
「顔学オンラインサロン報告」
感性工学的アプローチによる顔の印象認知研究
見た目年齢を気にせずとも若々しい印象を作ることは可能です！
7月の顔学オンラインサロンは、花王株式会社スキンケア研究所の平あき津研究員に話題提供いただきました。平さんは、顔印象の認知に関する基礎研究や、感性工学に基づく化粧品開発に従事されています。顔の印象年齢は、肌状態が大きく関わっていると思いますが、平さんは「見た目年齢を気にせずとも若々しい印象を作ることは可能ですし、顔の全てのシワを軽減しなければならないわけではありません。」とお知らせの際にもお話しされていました。
ここですぐにサロンの内容に入りたいところですが、当日サロン開始時に私は機上におり、地上に降りてから移動中に携帯の画面を見ながらイヤホンを使用していました。便利な時代になったと感心しながら、始まりのところを聴くことが出来なかったので、平さんのこれまでの研究について調べたところ、花王のホームページに以下のように記載されていました。
- 若々しさを規定する３つの印象は、①推定年齢、②イキイキ感、③清潔感の３つに集約される
- 若々しさに最も強く影響しているのは「イキイキ感」
- 推定年齢は「シワたるみ感」と関係している（寄与度0.66）
- イキイキ感は「目力感」と関係している（寄与度0.83）
- 清潔感は、「透明感」と関係している（寄与度0.64）
「注目したいのは、若々しさを規定する３つの印象のうち、“イキイキ感”が最も大きく寄与しているという点だ。さらに、イキイキ感には、「目力感」（目がぱっちりしていること、黒目がはっきりしていること、目力があること）や「目元のくすみ感」といった目元の状態と強く関係していることがわかった」ということでした。
サロン後半には、最近行った男性顔の印象に関する研究についてもご紹介いただき、男性の顔では口元のくすみが清潔感に大きく寄与し、柔和感へと繋がっているそうです。1月高橋征仁先生のサロンでも、現代は男性顔に「従順性」、「優しさ」が求められていることから、今回のサロンの内容にも納得でした。
筆者もかつて調べたところ、「見た目年齢は5歳、気持ち年齢は10歳若くいたい」と思う方が男女ともに多かったです。加齢に伴うシワやシミは気にせず、化粧品を上手に使いながら、いくつになっても目をキラキラさせて、いつまでも元気でキレイでいたいと思う気持ちを持ち続けることが大事と感じました。
平さんの研究を詳しく知りたい方は、J-Stage掲載の日本感性工学会論文誌を、日本感性工学会論文誌をご覧ください。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjske/21/4/21_TJSKE-D-22-00022/_article/-char/ja
次回の顔学オンラインサロンは、8月6日20時より日本顔学会公認サークル「美人画研究会」に話題提供いただきます。このWEBサロンは会員でない方も無料で参加できます。どんなお話しになるか、またまた楽しみです。（菅沼薫）
図1 女性の顔の印象研究 「若々しさ」の多様性
図２ 男女の印象認知構造
【顔学オンラインサロン（第60回）のお知らせ】
2024年8月の顔学オンラインサロン（8月6日）は、日本顔学会公認サークル「美人画研究会」代表の松永伸子さんを中心としたメンバーの方々に話題提供いただきます。
美人画研究会では2024年3月に｢縄文顔と弥生顔の比較｣をテーマに、第32回美人画研究会を開催しました。研究会では、2本の研究発表と、各メンバーが “私の考える縄文美人と弥生美人”の絵画作品を持ち寄り､その着眼点や制作意図を解説するという作品発表及び質疑応答が行われました。
また2024年7月28日には、第33回美人画研究会（江東区森下文化センター13：30より）を開催する予定です。3月の研究会では「日本人の約7割が弥生顔、約3割が縄文顔に分類できる」ということを踏まえて、現代までの各時代にはどちらの顔がその時代に暮らす人々の「憧れ＝推し」だったのか？ということを議論する予定です。研究発表3本と美人画クリエイターが作成した「推しの顔」の作品(平面/立体で合計約8名)を発表します。
8月6日の顔学オンラインサロンでは、上記2回の美人画研究会での、要点をまとめた報告と解説を行う予定です。
【日時など】
日時：2024年8月6日（火）20時から（1時間半程度を予定）
会場：Zoomというオンライン会議システムを用いておこないます。非会員も無料で参加できます。
【話題提供】
テーマ：『美人画研究会での発表内容報告 －縄文顔と弥生顔〜時代による推しの顔－』
話題提供： 松永伸子 （美人画研究会代表）
【顔学オンラインサロン申込み】
https://www2.jface.jp/salon/php/salon_entry/index.php