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化粧品製剤科学研究室
研究室
からのお知らせ

Prof コラム2025.09.14

カンヌ到着(35th IFSCC Congress ON SITE REVIEW 0)

こんにちは。

化粧品製剤科学研究室の渡辺です。

 

わたしは現在、第35回の国際化粧品技術者会学術大会(35th IFSCC Congress)が開かれるフランスのカンヌにいます。

IFSCCは化粧品のオリンピックとも言われる、各国の化粧品技術者が研究成果を競い合う祭典です。

わたしも資生堂時代に担当者として4回ほど発表を経験させてもらいました。

  • 2001: Taipei, Taiwan(台湾) – 16th Conference
  • 2002: Edinburgh, UK(英国) – 22nd Congress
  • 2006: Osaka, Japan(日本) – 24th Congress
  • 2008: Barcelona, Spain(スペイン) – 25th Congress

2002年エジンバラ大会でエジンバラ城をバックに資生堂メンバーと

 

とても華やかな会です。学会というより、お祭りといった雰囲気なんです。

 

さて今回の大会に話を移します。

今回は、1151件のアブストラクトが提出されました。
発表が許可されたのがそのうちの85.5%の983件です。

この983件が68件の口頭発表と915件のポスター発表に割り振られました。
ちなみに口頭発表の申し込みは639件であったので、口頭に選ばれたのは約1割で、毎回のことですが狭き門だったようです。

口頭発表に選ばれたカテゴリーとして多かったのは、「Longevity, Well-aging」がもっとも多くて25%を占めたようです。次に「Microbiome」「 Neuro, sensory, emotions」の二つが10%ずつを占めました。

日本語にすると、長寿、健康的加齢、細菌叢、感情・感覚・(脳)神経科学といった内容が多くを占めているわけです。

 

化粧品研究に詳しい人だと、手段と目的がごっちゃになったキーワード設定だなぁ、と感じるかもしれません。

ですが前向きにとらえれば、IFSCCで発表するには、上記のような現時点でアトラクティブと思われる発表内容の構築が必要だ、と分析することができます。

いい悪いはともかくとして、以前と比較すると、だいぶ様変わりしたと言えると思います。

街にある噴水の石像

芸術の国で開かれる化粧品の祭典がどうなるか楽しみです。

 

これから、(できる限り)頻繁にレポートを上げますので、お楽しみに。

(客員教授の南野先生/神田先生も別の視点でレポートされていますのでそちらもどうぞ。)

 

(化粧品製剤科学研究室 教授)