閉じる

Cosmetic Science最新のトピック

客員教授からの
お知らせ

トピックス2025.11.21

日本顔学会大会フォーラム顔学2025報告第二弾 デジタルヒューマン合成技術は凄いことになっている!

11月12日の土・日に、早稲田大学国際会議場井深ホールで、第30回日本顔学会大会フォーラム顔学2025(大会長:早大森島繁生教授)が開催され、その第一弾の報告を、4月まで客員教授を務めておられた菅沼薫先生に、「日本顔学会大会フォーラム顔学2025が盛大に開催されました!」として本ブログに寄稿していただきました。本日は第2弾としてフォーラム顔学2025の2日目午前中に開催された特別講演とパネルディスカッションについてご寄稿いただきました。

**************菅沼先生からのご報告****************
11/1-2に開催された第30回日本顔学会大会フォーラム顔学2025では、最新のAIによる画像合成技術についての特別講演と、社会で実証されているデジタルヒューマンの技術者によるパネルディスカッションが行われました。

特別講演2として、デジタルヒューマン合成研究者として著名な長野光希先生(NVIDIA)が、「大規模AI時代のデジタルヒューマン合成」と題して講演してくださいました。

例えば、1枚の顔画像から動画が生成され、しかも自然な表情の変化や違和感なく言葉を発している顔動画ができたり、相手の会話の意味を捉え、それに答えたりするものです。これまでヒト型ロボット(ヒューマノイド)やパネル展示物が数多く開発されてきましたが、ヒトに近づけは近づくほど気味の悪さがぬぐい切れませんでした。それをこの世界では「不気味の谷」という言葉で言われてきました。ヒトの顔は僅かな違いでも分かってしまう、大変難しい素材なのです。それが、いまや存在しない合成された顔画像が、自然な表情で言葉を発しています。今問題になっているフェイク動画は、本物かどうかを見抜くことも難しくなっているそうです。リアルな動きのある最新の画像合成の凄さに圧倒され、デジタル技術の進化を感じる素晴らしい講演でした。

パネルディスカッションでは、森島大会長が推薦した最新画像合成の技術者10名が一堂に会して行われました。ファシリテータ加藤卓哉氏による実証されているデジタルヒューマン技術の分布図から始まり、「10年後、AIエージェントとの主要なインターフェイスは、テキストや音声のみのUIを抑え、デジタルヒューマンがその座を奪っている」など、いくつかの項目にパネル各自がYESNOかの回答をし、その選択理由を述べる形式で進められました。
まず、YES,NOバロメーターが半円で描かれ、矢印でその程度を示す図が見やすくて、日頃分かりやすく伝えることを心がけている私にもグッときました。パネルの回答は、若干の意見の相違もあって、そのコメントにも個性があり興味深いものでした。デジタルヒューマンやヒューマノイドが、未来の私たちの生活には欠かせないものになっている予感がしました。

 

今年のフォーラムも盛況に開催され、顔学の奥深さと広がりを感じさせてくれました。デジタルもいいけど、リアルに顔と顔を合わせる大切さも学んだ気がします。

フォーラム2025写真ギャラリーには、会場の雰囲気や参加者の笑顔がいっぱいです!https://www.jface.info/post/20251101

日本顔学会の活動は、ホームページやニューズレターサイトもご覧ください。https://www2.jface.jp/forum2025/

https://www.jface.info/

(元 客員教授 菅沼薫)
****************************************

化粧品業界の新潮流は「オルガノイド」ですが、AIの分野は「ヒューマノイド」!現在は化粧品の基礎研究とデジタルヒューマン研究は異分野と捉えがちですが、同じ方向に進歩していることを確信しました。来年のフォーラム顔学は、2026912()13()で、金沢工業大学の扇が丘キャンパスで開催されます。異分野の研究は、脳の刺激を促し新しいヒラメキがでてくるものです。皆様も是非ご参加ください。(南野美紀)