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化粧品製剤科学研究室
研究室
からのお知らせ

Prof コラム2025.12.02

「乳化・分散のクリニック@関西」?

こんにちは。渡辺です。

 

表題をご覧になって何のことだろう?と思われた読者の方もいると思います。

クリニック、となっていますが、講演会の演題です。わたしも演者として登壇します。

 

「乳化・分散」は化粧品製剤に欠かせない技術です。水の中に油を小さな粒にして分散し(逆もあります)、実用上問題のないレベルで安定化するのが「乳化」です。乳液やクリームなどに使用される技術です。「分散」は分散される物質が固体の場合に使用する用語です。また、「実用上」とは変化が起きても使用者が気づかない程度であることを示しています。

乳化・分散を的確に行うことができると、

① 使用感触を使用者に合わせて最適化

② 不安定な物質を安定に製剤中に保持

③ 皮膚や毛髪に塗布した後に効率的に浸透

 

などのように、化粧品の価値を高めることができます。

 

乳化物も分散物も調製直後から刻一刻と状態が変化します。また、乳化物、分散物に含まれる成分は多岐に渡り、調製のしやすさや安定性に影響を与えます。

これらのために「乳化・分散」の世界では開発現場での経験則に頼らざるを得ない場合が多く、系統的な理解が難しいという問題がありました。

今回のセミナーでは、乳化を行う際に知っておくべき科学的な知識や乳化技術の開発事例を紹介します。

普遍的に使える科学的知見に加えて開発事例を知ることは、経験則を使用した試行錯誤からの脱却につながる近道と考えられます。

なるべく平易に解説するつもりですので、ぜひご参加ください。

 

第 27 回 関⻄コロイド・界面実践講座

⽇時:2026 年 1 ⽉ 10 ⽇(⼟) 10:00〜16:50

会場:同志社⼤学今出川校地(京都市営地下鉄烏丸線 「今出川」駅から徒歩 1 分)/Zoom によるオンライン参加

 

参加申込みWebサイト: 

https://colloid.csj.jp/202511/27th_kansai_colloid/

主催・協賛・後援学会員(法⼈会員を含む)10,000 円,⼀般⾮会員 13,000 円,学⽣(⽇本化学会会員またはコロイドおよび界⾯化学部会会員)無料,学⽣(⾮会員)3,000 円

 

プログラムは以下をご覧ください。

昼休み前が私の講演順ですので、個別質問もゆっくりとお受けします。

では会場でお会いしましょう。

 

(化粧品製剤科学研究室 教授)

 

―――――

(開場 9:40

【講演1】1000−1050

「分散・凝集科学の最前線:経験から体系へ」

武⽥コロイドテクノ・コンサルティング 武⽥ 真⼀ ⽒

【講演2】1100−1150

「乳化の基礎と化粧品への応⽤」

武庫川⼥⼦⼤学 渡辺 啓 ⽒

(昼休み:11501300)

【講演3】1300−1350

「分散剤・乳化剤としての界⾯活性剤の実際」

⼤阪産業技術研究所 懸橋 理枝 ⽒

【講演4】1400−1450

「電池材料における分散凝集の評価」

神⼾⼤学 菰⽥ 悦之 ⽒

【講演5】1500−1550

「レオ・オプティカル測定による分散系サンプルのマルチスケール動的評価」

アントンパール・ジャパン株式会社 新井⽥ 萌重 ⽒

【講演6】1600−1650

「リポソーム、ベシクル、マイクロカプセルの分散と作製法」

姫路獨協⼤学 岡村 恵美⼦ ⽒