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客員教授からの
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トピックス2026.06.26

パンデミック(COVID-19)がIFSCCにもたらしたこと

COVID-19は瞬く間に地球の隅々まで広がり、多くの貴重な人命を奪い、世界を混乱に陥れました。テレワークが本格的に普及し、我々の生活様式に新しい選択肢が増えるなど幾つかのプラスの作用をもたらしたことも事実ですが、パンデミックが原因で様々な業界がマイナスの影響を被り、今も苦戦を強いられている会社も少なくありません。これまで、景気や世の中の情勢に比較的影響を受けにくいと考えられていたパーソナルケアの業界も今回ばかりはその例外とはなりませんでした。手指消毒液やマスク、アイケア商品の売上が増えた一方で、口紅は口元がマスクに隠されている上にマスクに色が移ることから売上は減るなど、商品カテゴリーレベルでの「勝ち組」と「負け組」も生みました。

このような背景の中、このブログでも良く紹介する化粧品技術者の活動、とりわけ大きな技術発表の場である国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)の世界大会レベルでどのようなことが起きたかを今日は考えてみたいと思います。今から思えば、ある意味COVID-19のせいで一番割りを喰ったのは日本化粧品技術者会(SCCJ)でした。折しも2020年に横浜のパシフィコでの第31IFSCC大会の開催を控えてその準備も着々と進んでいたその前年にコロナ禍となりSCCJは短期間の間にオンサイトで予定されていた大会を急遽オンラインで実施する方向に舵を切ることを余儀なくされました。準備に時間もなくIFSCC史上初めてとなるフルオンラインの大会になんとか漕ぎつけることが出来たのも南野先生を中心とした当時の運営メンバーによる不眠不休の努力に依るところが大きかったのだと思います。その甲斐あって会場のキャンセル料の出費など財政的には不本意な部分もありましたが、オンラインながら横浜大会(オンラインとは言え、予定していた開催地横浜の名称は残ることとなりました)を成功裡に終えることができたのも日本だからこその快挙と連盟からも賞賛されることとなったのです。横浜大会のオンライン初開催のノウハウはこれまたオンラインで開催されることになった翌年(2021年)のカンクン(メキシコ)中間大会にも大いに役立ったようです。

オンラインだからこそ得られた大きなプラスの効果はアカデミアのIFSCCへの参加を促すきっかけとなったことだと私は考えています。IFSCC大会は例年参加費が高い(230万円)ことがネックとなっており、これが大学を中心としたアカデミアの参加を抑制する大きな要因となっていました。オンラインであることから横浜大会は3万円という格安な参加費を実現することができ、これが多くのアカデミアからの参加を誘引することになりました。2022年のロンドン大会より再びオンサイトに戻り、従って高い参加費が復活したのですが、これでアカデミアからの参加者が激減することはありませんでした。恐らく今まで参加費が高いがために敬遠していたIFSCC大会も横浜やカンクンのオンライン大会を参加してみたらとても有益なことがわかったので、オンサイト大会に戻っても一部のアカデミアからの参加者は継続して参加することを選択したのだと思います。そんな中、2022年のロンドン大会では大学からの研究が最優秀賞を受賞したことも大きかったと思います。IFSCCも大会の参加費が高いことは自覚しており、アカデミアや学生向けの安い料金体系も最近積極的に導入されることになりました。大会毎の要旨の数も増加傾向にあり、アカデミアからの参加が強化されたことにより、メーカー、サプライヤー、大学がIFSCC大会で出会ってそこからコラボレーションに発展する確率も高まり、結果として多様な新しい化粧品技術の開発・進化につながることを願ってやみません。(神田不二宏)

 IFSCC2020 横浜大会の過去のブログ
2020.10.16【学会予告】IFSCC 2020 Congress 水曜日から始まります! – 化粧品科学
2020.11.16【学会報告】IFSCC 2020 Web Congress – 化粧品科学
2020.09.28【学会予告】化粧品の国際学会 IFSCC web-Congress 2020 – 化粧品科学

IFSCC 2020 SCCJの報告
2020.10.21The 31st IFSCC Congress 2020 YOKOHAMA | イベント | 日本化粧品技術者会 SCCJ