Prof コラム2026.03.19
「香料 ✕ 界面科学研究」の面白さに気づきました
こんにちは。渡辺です。
最近、なるほど!と感じたことがあります。
それは、香料の製剤化についてです。
香料を化粧品に配合するときには、製造工程の最後に添加して均一化することが多いです。油が多いので、油の仲間である香料を均一化することは、特に難しくはありません。そこで、香料会社さんからは香料が単純に保湿剤などに溶けている「調合香料」を購入して使用します。
ところが、食品会社さんに香料を販売しようとすると、化粧品とは異なる課題があるそうです。たとえば、飲料のように完全な水ベースのレシピに油である香料を簡便に配合することが必要です。食品会社さんには、香料の配合のためにわざわざ新たなレシピを組むという発想はありません。そこで、香料会社さんは「乳化香料」と言って香料成分を水中に分散した乳化状態で販売することが多いそうです。
今回、共同での取り組みをしていただいている、日本で2番目に大きい香料会社である長谷川香料さんから、とても面白い香料製剤が学会発表*)されました。
その名も
「バイコンティニュアス香料」!!
ご存知の方もいるかもしれませんが、バイコンティニュアス相はわたしが資生堂時代にメイク落としとして用い、良好な落ちと洗い流しやすさを実現した会合体です。
落としたメイクを含むバイコンティニュアス相が洗い流しやすいのは、メイクや製剤中に含まれる油が通常の乳化状態よりもさらに小さな粒子になって水に分散していくからです。
今回の「バイコンティニュアス香料」はその原理を高度に応用したものです。
ひとつの業界だけでなく、関連性のある他業界の方と交流させていただくと、知識が広がるなぁ、と深く実感しました。
長谷川香料さんのプレスリリースはこちら
ぜひご覧ください。
(化粧品製剤科学研究室 教授)
*) 日本農芸化学会 2026年度大会

