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Cosmetic Science

客員教授からの
お知らせ

トピックス2021.09.08

菅沼薫のワンポイント講座 「化粧品トレンド研究の基本」

(6)化粧品トレンドと社会背景 

 

2020年に起こったパンデミックによってコロナ禍の生活は一変し、感染者数やワクチン、治療薬の情報に翻弄されています。

マスクは手放せないので、スキンケアやメイクアップの仕方にも変化が起きています。また、2015年に国連サミットで提唱されたSDGsSustainable Development Goalsは、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として日本国内にも活動が広まっています。例えば、食品ロスの解消、プラスチック容器の削減や再生可能な素材開発などが注目され、化粧品業界としては詰め替え易い新たな化粧品容器の開発や量り売り販売等の施策がされています。さらに、阪神淡路や東日本大震災、大雨による災害、9.11同時テロ、中東での戦争などが人々に大きな意識変化を起こしています。

 

このように世の中の動きは、日々の出来事で変わります。その中でトレンドは、世の中の動きが人々の意識の中に静かに浸透していき、それによって意識的に、あるいは無意識の行動となって表れてくるものです。

2030年までに目標達成を提唱しているSDGsの目的は、「豊かで活力ある未来を創る」ことにあります。しかしながら、これらの活動は人々の幸せ、満足につながらないと一連の行動として継続されません。

コロナ禍において、それらの活動も変化していくことでしょう。

 

同様に、コロナ禍以降の化粧品トレンドはどのように変化するでしょうか?

化粧品の使用目的は、皮膚を整える機能と使う人に喜びを与えることにあります。

今起きていることだけにとらわれず現状を見据えながら、これから求められる化粧品への人々の思いを読み取ることが化粧品トレンドを予測することにつながると思います。

 

化粧品トレンドと社会背景、そしてSDGs 

化粧品トレンドと社会背景

化粧品トレンドと社会背景

 

掲載予定テーマ

4月.トレンド研究とは

5月.化粧品トレンドの特徴

6月.肌悩み調査とトレンド

7月.不易流行

8月.化粧品開発の歴史

9月.化粧品トレンドと社会背景←今月はここ

10月.メイクアップの変遷

11月.スキンケア化粧品の変遷

12月.パッケージデザインの変遷

1月.化粧品トレンドの掴み方

2月.トレンド調査の注意点

3月.トレンド予測力の養い方