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Cosmetic Science

客員教授からの
お知らせ

トピックス2021.11.11

菅沼薫のワンポイント講座 「化粧品トレンド研究の基本」(8)スキンケア化粧品の変遷

(8)スキンケア化粧品の変遷 

  化粧品において、最も重要な目的は皮膚を健康に保つということです。化粧(メイクアップ)で美しく、魅力的にするためにも、土台である皮膚(肌)そのものが健やかでなくては成り立ちにくいものです。そのために、素肌を生かすスキンケア化粧品は、時代を超えて必須品といえます。そして、スキンケア化粧品に求められる性能は、「洗浄」、「整肌」、「保湿」です。この基本性能は変わらずに求められるものですが、化粧品成分や処方、製造には常に新しい知恵や研究、技術が導入されています。また、消費者ニーズに合わせて、その使い心地や感触も変化しています。

 

 スキンケア化粧品開発には、皮膚の構造や仕組み、働きなど皮膚科学研究が大きく貢献しています。1980年代から皮膚科学の新たな知見を得ることで、化粧品の有効性や安全性の評価法が報告され、エビデンス研究を基に「薬用美白化粧品」「シワ改善化粧品」など機能性化粧品は多数開発されています。

 

 化粧品の使い心地では社会変化を敏感に感じ取り、化粧品の主成分である「油」「水」の感触を調整して「さっらと」「しっとり」の保湿感や「すっきり」「とろみ」など異なる感触にしたり、洗浄泡のボリューム感を調整し「しっかり固い泡」、クリームのような「なめらかな泡」にしたり、その時代の多くの人が求める使い心地に変化させています。

 

このようにスキンケア化粧品にも「流行」があります。その変化を感じることは、未来に求められる化粧品触感を研究するうえでも大切なことといえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

今後の掲載予定

4月.トレンド研究とは

5月.化粧品トレンドの特徴

6月.肌悩み調査とトレンド

7月.不易流行

8月.化粧品開発の歴史

9月.化粧品トレンドと社会背景

10月.メイクアップの変遷

11月.スキンケア化粧品の変遷

12月.パッケージデザインの変遷  ←来月はこちら!

1月.化粧品トレンドの掴み方

2月.トレンド調査の注意点

3月.トレンド予測力の養い方