トピックス2022.09.23
【超速報】IFSCC 2022のAwardが発表されました
ロンドンで開催されていたIFSCC2022学術大会が無事終わり、先ほどGALA パーティでAward(賞)が発表されましたので速報をお知らせします。
・・・・・・IFSCC 2022ロンドン大会 受賞論文 ・・・・・・・
■Applied Research Award
Exploiting Ingredient Interactions to Deliver Optimal Performance of Skin-Care Formulations
Christopher Berkey (Stanford University) USA
■Basic Research Award
Decoding epidermis reconstruction through time-course multi-omics data
Elias Bou Samra (L’ORÉAL) France
■Poster Award
Targeting small non-coding RNAs to diminish the epigenetic ravages of aged skin
Paul Lawrence (Biocogent, LLC) USA (Poster No.53 of Session E)
■Top10ポスター
ポスター発表の中から、Poster Awardを選ぶ過程でトップ10のポスターが選ばれます。約300 報のポスター発表で日本からは39報のポスター発表がありましたが、Top10の中に Toru Okamoto (Shiseido) 、Tomonobu Ezure (Shiseido) の2報が選ばれていました。300報の中のTOP10というのは、口頭発表賞より狭き門といえます。岡本亨さま、江連智暢さま、そして共同研究者の皆様、おめでとうございます。
(Poster No.371 of Session P) Toru Okamoto
Transcending the boundaries of cosmetics: a novel ionic liquid inspired skin penetration system as an alternative to medical beauty treatments
(Poster No.391 of Session N) Tomonobu Ezure
A new world of anti-aging skincare targeting the face-wrapping “tensional network”: “ring-collagen” – paradigm shift of skin analysis: from visualizing tangible to intangible targets
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■Henry Maso Award の表彰
GALAパーティではCongressの賞の発表前に、昨年のカンクン大会で発表されたHenry Maso Award の表彰がありました。Henry Maso Award は、IFSCC Magazine に投稿された35歳以下の研究者の論文の中から優秀な論文に授与される賞です。
受賞者のフランスのDr. Maxime Lèguesがロンドンに招かれ表彰されました。
The World’s First 3D Bioprinted Immune Skin Model Suitable for Screening Drugs and Ingredients for Normal and Inflamed Skin (Published in IFSCC Magazine issue 4/2020)
残念ながら受賞が叶わなかったけれど、注目すべき研究としてDr. Megumi Kaji(POLA Chemical Industries, Inc)にHonorary Menions賞が贈られたことが紹介されました。
Do-It-Yourself Cosmetics – The Pleasure of Creating Your Own Emulsions(Published in IFSCC Magazine issue 1/2021)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
終わってみると、2008年から2021年まで14年続いていた日本からの受賞は途絶え、残念な結果になりました。今年の発表を少しだけWebで見ましたが、化粧品研究も新しいフェーズに入った感じがしています。今回セッションのひとつとして取り上げられていた「脳科学研究と化粧品の関係」などは、日本では相当以前から研究が始まっており、まだまだ日本独自の面白い研究成果が発表できると感じました。しかし言い換えれば、日本独自のきめ細やかな使用感を生み出す化粧品開発が世界でも実行され、競争が激化するということを意味しているように思います。世界が狭くなればなるほど、常に新しい切り口のマーケティングと研究テーマを生みだしていくことが大事だな~っと感じました。
IFSCCの学術大会は来年2023年はバルセロナ(9月4日~7日)、2024年はブラジルのイグアス、2025年はカンヌで開催されます。益々国際化する化粧品業界で新しい知見を得るには良い学会だと思いますので、まだ参加したことのない方は是非一度参加してみてください。
最後になりましたが、今回現地から情報をお送りいただいた皆々様に心より感謝申し上げます。(南野美紀)
ロンドン大会関連の過去のブログ
- IFSCC2022ロンドン大会 1日目 無事終了 (2022年9月21日)
- 【速報】IFSCC2022ロンドン大会 オープニングセレモニー(2022年9月20日)
- 第32回 国際化粧品技術者会連盟世界大会(32nd IFSCC Congress)いよいよ開催!!(2022年9月19日)