閉じる

Cosmetic Science

客員教授からの
お知らせ

トピックス2023.04.22

薬学部で学べる経営学ー化粧品開発論 神栄美穂先生の授業

4月12日から始まった化粧品開発論の授業。今年は少し、どういう指導をしているかをご紹介していければと思っています。初回はオリエンテーションで授業の目的や進め方、課題の説明などを行い、2回目の授業は、美穂先生から商品企画するために知っておいてほしい「経営学の基礎」の講義でした。

最初は1970年代に日本に上陸したP&Gの洗濯用洗剤「全温度チアー」の当時のCMをみて、グループごとに軽いディスカッション。日本での展開に最初苦戦していた理由を考えてもらいました。消費財の研究をされている経営学の方々にとっては有名なお話ですので皆様も一度考えてみてください。
P&G全温度チアーの1980年ごろのCM
全温度チアーの事例をもとにマーケティングの本質である「良いものが売れるのではなく、消費者が良いと思ったものが売れる」という説明があり、「消費者が良いと思うものを企画しましょう!」と美穂先生からひとつめの注意点が示されました。

さらに経営学の分野では知らない人はいない現代経営学の教祖的存在で「マネジメント」を発明したピーター・ドラッカーのお話から、「顧客を創造することの重要性」や、朝の情報番組のお話から「消費者は物自体を買っているのではなく、便益(ベネフィット)を買っている。」というお話など、薬学部の学生さんが「なるほど」と思う事例をあげて説明されました。薬学部卒で研究畑を歩んでいた私も社会人MBAに行くまで知らなかったことを大学時代に聞けるのは学生さんにとっても良いことだな~っと思いながら聞いていました。

学生さんの授業後感想文にも、「薬学部では学ばない経営の話を聞いてとても良い学になりました。」「自分の作りたいものではなく、消費者が求めるものを考えつくるのはとても難しいことだなと感じました。」「今まで消費者は物を買っていると思い込んでいましたが、朝のニュースの例えを聞いて本当の利用の仕方まで考えないといけないことに気付きました。」など書かれていて、いろいろ気づきがあったようです。経営学を少し学んだ学生さんから、どんな企画がでてくるか楽しみです。履修している皆様、頑張ってくださいね~!(南野美紀)