トピックス2023.09.13
第33回国際化粧品技術者会連盟世界大会(33rd IFSCC Congress)で日本復活!!
昨年のIFSCCロンドン大会から一年が過ぎ、あっという間に今年の第33回バルセロナ大会が訪れたかと思えば、4日間の大会が一瞬で終わってしまいました!個人的には、2019年のミラノ中間大会以来、久々にリアルでIFSCC大会に参加でき、リアル開催の学会の良さを再認識しました。また4年ぶりに多くの旧友に会えたことも嬉しかったです。
今回のブログはバルセロナ大会の総括です。昨年のロンドン大会は、日本人受賞者がでず少し残念な総括になりましたが(祭りが終わって感じること ーIFSCC 2022ロンドン大会総括ー)、今年は武庫女にとっても日本にとっても良いことが多かったので気持ちよく総括をしたいと思います。
まずは武庫女関連ですが、既にブログでも報告しましたように、渡辺啓先生が武庫川女子大学 健康生命薬科学科として著者に名を連ねたペーパーが資生堂の張研究員から口頭発表されました。
IFSCC2023 バルセロナ大会 1日目無事終了:渡辺啓先生の研究が口頭発表されました!
改めて、703件もの応募のあったアブストラクトの中から上位76件だけに与えられる口頭発表の機会を獲得されたことは実に素晴らしく、研究のレベルの高さを示すものであります。武庫女のプレゼンスを示すことができたもうひとつニュースは、南野先生がIFSCCフェローの称号を授与されたことで、アジア人女性として初めてIFSCCのレジェンドたちの仲間入りを果たされたことを心から喜びたいと思います。
IFSCC 2023オープニングセレモニーで「IFSCCフェロー」の称号をいただきました。
続いて日本の活躍についてです。今年も日本はフランスと並び他国を圧倒する数の口頭発表数を獲得し、特に日本は本大会の三つのテーマ(Science, Beauty, Nature)の中での発表数のバランスもよかったのが印象的でした。
更に日本にとって良かったことは、昨年の受賞数ゼロ!から見事に復活してAward発表の壇上をほぼ独占できたことです。詳しくは南野先生の記事 超!【速報】IFSCC 2023のAward受賞が発表されました で既に報告済みですが、日本の会社(資生堂2件、マンダム1件)が三つの賞を全て獲得しました。また今年はポスターだけでなく口頭発表のBasic(基礎)とApplied(応用)のそれぞれのTop 10ペーパーがファイナリストとして全て開示されました。そのうち14件、即ち半数近くが日本からのペーパーであったことも日本の復活を強く印象付けました。
資生堂が受賞した口頭発表の2件(基礎部門と応用部門)のリリースと、マンダムのポスター部門の最優秀賞のリリースが既に発表されています。研究の概要は書かれているのでご覧ください。
資生堂リリース:第33回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)バルセロナ大会2023で 「最優秀賞」をダブル受賞
マンダムリリース :マンダム、第 33 回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)バルセロナ大会 2023 でポスター部門「最優秀賞」を初受賞
今年は受賞した3つの発表のうち、資生堂の口頭基礎部門とマンダムのポスター部門の2つが、私の専門分野である「体臭」に関連する発表だったことは、個人的な喜びもひとしおでした。何十年もIFSCCをみてきた私ですが、体臭に関するペーパーが同時に複数受賞したことは記憶にありません。そんなハプニングを提供してくれた今大会に感謝しつつ、帰国の途につきました。
この受賞論文の解説も含めたバルセロナ大会の発表内容を解析し、10月28日(土)13時からの樟蔭美科学研究所 無料webセミナー「次世代の新技術 -バルセロナから見えた化粧品の未来-」で南野先生とともにお話することになっています。詳細が決まりましたら改めてお知らせしますので、是非ともお聴きください。(神田不二宏)