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Cosmetic Science

客員教授からの
お知らせ

トピックス2023.10.31

「日本認知症予防学会」で、「化粧美容セラピーの認知症への有用性」について、発表しました。

化粧という行為は、一般的に健常者の美的レベル向上をイメージする方が多いのですが、脳の様々な部位を活性させることで、神経心理的な好影響やストレス緩和作用などの生理的な好影響も知られています。

この度、岡山大学医学部脳神経内科との共同研究として、高齢者介護施設において認知症の方を対象にメイクキュアセラピー(治療を意識したメイクアップ)を実施し、情動機能、知的機能を中心に検証を行いました。

①認知症に対する早期効果

化粧前後で、その日のうちに情動面の改善が確認できました。具体的には、BPSDスコア(認知症の周辺症状といわれる抑うつ・不安・幻覚・妄想など・・・の情動面)が有意に改善されました。

②続ける事で知的機能、見た目年齢、ADLにも効果 

化粧美容セラピーを2週間に13ヶ月継続したところ、MMSEという知的スコア(30点満点)が5点近く有意に改善しました。

 

このような化粧療法の効用は、既に認知症になった方だけでなく、前段階の軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)の段階から実施することで、認知症の予防になるのではないかと思われます。

近い将来、化粧美容セラピーが、認知症の非薬物療法となる事を期待しています。

                                            【客員教授 谷 都美子】