閉じる

Cosmetic Science最新のトピック

客員教授からの
お知らせ

トピックス2023.12.24

平尾哲二先生によるM-COSMIC市民講座「うるおい美人の秘訣 - 肌と水分との関わり-」報告

少し前のお話になりますが1125日に本年度最後のMCOSMIC(武庫川化粧品イノベーションセンター)の市民講座が開催され、本年3月まで化粧品研究所の教授を務めておられた平尾哲二特任教授が「うるおい美人の秘訣 肌と水分との関わり」について、これまでの先生の専門的なご研究をもとに、お肌に水分がどのように保たれているのか、うるおいを保つために大切なことを大変わかりやすくお話しいただきました。

たとえば・・・うるおいのあるお肌を作るのに大切な皮膚のターンオーバーの説明を「おいしい幕ノ内弁当をつくる過程」に例えて、ターンオーバーが早くなるとお弁当に入れる具材の準備が追いつかず具材の過不足が起こったり、入れ損ねたりして不良品ができやすくなるという表現で説明され、一定のリズムで生まれ変わることの大切さを説かれてました。さらに乾燥肌には、炎症を伴うドライスキンと炎症を伴わないドライスキンに分けられるというお話しと共に、保湿ケアは継続が重要なこと、皮膚はゆっくり乾くことが大切であることなど、平尾先生の角層研究の専門的な成果を基にした保湿のコツを伝授していただきました。

「研究者あるある」なのですが、専門的な研究を極めれば極めるほど、無意識に専門的な言葉を使って説明してしまい、聴き手には難しく感じられることがあります。本当に極め切った方は、難しいことを簡単にわかりやすく伝えることができる説というのがあって、やっぱり平尾先生は凄い!と改めて思いました。

最後に印象的だったのは、「角層は死んだ細胞の集まりではありますが、研究者として長年角層の研究をしていると“角層は生きている”と思えます」というお言葉でした。

武庫女での第一線を退かれた平尾先生ではありますが、まだまだ活躍していただきたいと思いますし、まだまだご活躍していただけると確信しました。(南野美紀)