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客員教授からの
お知らせ

トピックス2024.06.25

繊維学会から功績賞をいただきました!

私事ですが、今年6月に繊維学会より功績賞をいただきました。

一般社団法人繊維学会は、1943年(大正13年)に設立、今年創立80周年を迎える歴史ある学術団体です。そこで、理事や監事、企画委員など、学会活動に協力してきました。私の化粧品研究の基は、被服科学・繊維物性の研究からスタートしています。繊維の研究は幅広く、工業製品から医療分野や日常の衣服、化粧品にまで及び、暮らしに欠かせない分野として様々に応用されています。

このたびの受賞は、代表してご推薦してくださった信州大学名誉教授平井利博先生を始め、多くの方々の後押しがあったからと思います。大変に光栄なこととありがたく思っています。

(菅沼 薫)

繊維学会誌(2024.Vol.80.No.5)功績賞選考経過報告 繊維学会長 大田康雄氏より

繊維学会功績賞は、多年にわたり本学会の発展ならびに繊維科学と工業の進歩に顕著な貢献をされた方を褒章するものです。2023年度功績賞は。本年2月に開催された選考委員会において慎重に審議され、木村邦夫氏、菅沼 薫氏の2名を、満場一致で受賞候補といたしました。次いで 3月開催の理事会おける審議の結果、上記2名の方々に功績賞を授与することを決定しました。以下に受賞者のご略歴とご業績を簡単に紹介させていただきます。

木村邦生氏「重合相変化法を利用した剛直高分子の高次構造制御に関する研究と繊維学会活動への貢献」

菅沼 薫氏「繊維科学を背景とした美容・皮膚科学分野への展開と産業応用」

以下 菅沼薫の部分を抜粋します。

菅沼 薫氏は、1977年に奈良女子大学家政学部被服学科を卒業され、1977年から1985 年までライオン油脂株式会社(現ライオン(株))に在籍され、同社のライオン家庭科学研空所や広報部に勤務、その後1986年から株式会社エフシージー総合研究所(フジテレビ商品研究所)に移られ、同社美容科学研究室長、同取締役 暮らし科学部長を歴任。1996年から 2011年にかけて、共立女子短期大学、東京海洋大学、東京家政大学、奈良女子大の各特別講師・非常勤講師などを勤められて、2013年より武庫川女子大学薬学部にて非常勤講師、現在は同大学の客員教授を勤めておられます。また上記の間、1988年には山野美容専門学校を卒業されて89年に美容師の免許も取得されておられます。同氏のご業績は、布帛の物性と風合いについての深い材料としての理解から出発し、毛髪、皮膚科学を経て、化粧品や皮膚感覚、化粧品、美容の分野まで展開されるなど多岐に渡っておられます。繊維学会におきましては、同氏は 2010 年の理事就任より始まり、特に企画部門での担当や顧問、委員長等や直近の監事まで永年ご尽力をいただき、学会行事での様々な新しい企画で学会の活性化に大きく貢献されました。その他、自ら繊維学会の夏季セミナーや学会誌等でご自身のご研究の成果を発表さるなど多岐に渡る貢献をされてきました。理事として学会の運営におかれては、多くの解決すべき課題に対して、同氏のバックグラウンドである繊維材料科学を基にしながらも、その周辺の産業社会の視点から、俯瞰的に学会の状況を理解した上で、さまざまな困難に直面する繊維関連分野のあり方を示唆された事を始め、国際会議の運営などに際しての支援、学会活動ネットワークの拡大に寄与されました。特に学会組織・活動におけるダイバーシティ化においても、早くから学会での必要性を提唱し、その推進にも大きく貢献されてきました。