トピックス2024.10.03
「顔学オンラインサロン報告」
顔学トピックス 「顔学オンラインサロン報告」
写真の『顔』は誰の『顔』なのか
顔学オンラインサロン(第61回)は、9月17日甲南女子大学文学部の馬場伸彦先生(メディア文化論)に「写真の『顔』は誰の『顔』なのか」と題して、肖像写真におけるアイデンティティの問題から生成AIによって造形される顔まで、写真論・メディア論的見地からお話いただきました。
お話は、19世紀に発明された銀板写真から始まり、現在のデジタル写真やAI生成のものまで、時代と共に変化する肖像写真とその扱いや思い、文化にまで及びました。
希少で高価だった写真技術が、いまや携帯電話に搭載されて、身近に簡単に写真を撮ることが出来る時代です。また、デジタル画像は加工もできて、化粧によるメイクアップ以上に「見せたい顔」、「なりたい顔」にすることができ、もはやどれが本人かさえも曖昧になっているのかもしれません。
馬場先生がおっしゃる、写真に撮られた「顔」とは誰の顔なのか?表象された一枚の写真には、写真を撮る者の視覚によって理想化された「顔」と撮られた者の自己同一性が同居しているのではないか?という考えに、なるほど!と思わず頷いてしまいました。
意識してか無意識か、自分が思っている自分の顔、見られたい顔に映らなかった顔写真を瞬間的に消去している私には、馬場先生のご指摘は大変興味深く、社会学の考え方や奥深さを感じ、今回の顔学オンラインサロンもとても刺激的でした。
日本顔学会ニューズレターにも、サロンの様子が詳しく記載されていますのでご覧ください。
次回、10月の顔学オンラインサロン(10月8日)は、盛岡市で11/2-3に開催の第29回日本顔学会大会の大会長・実行委員長の桐田隆博先生に、「フォーラム顔学2024」の見どころ・聴きどころをお話しいただきます。特別講演、シンポジウム企画のご紹介とともに、そこに込められた思いもお聞きしたいと思います。岩手県・盛岡市の魅力的な地元情報もあるのではないかと思います。
次回も楽しみです。このサロンは会員でない方も無料で参加できます。(菅沼薫)
図1 話題提供の馬場伸彦先生
【顔学オンラインサロン(第62回)のお知らせ】
「フォーラム顔学2024」のご紹介です。既に参加を決めておられる方はもちろん、参加を悩んでおられる方もご参加いただき、日本顔学会へより一層ご興味を持っていただければ幸いです。
【日時など】
日時:2024年10月8日(火)20時から(1時間半程度を予定)
会場:Zoomというオンライン会議システムを用いておこないます。(無料)
【話題提供】
テーマ:まなざしの前(さき)にあるもの まなざしの奥にあるもの
話題提供:桐田 隆博先生 (岩手県立大学 人間福祉学科福祉心理系・教授)
趣旨:来る11月2日・3日に、フォーラム顔学2024を盛岡において開催いたします。今大会を開催するに当たり「まなざしの前(さき)にあるもの まなざしの奥にあるもの」というテーマを設定しました。このテーマの下で特別講演とシンポジウムを企画しております。テーマと特別講演、シンポジウムがどのように関わるのかについて、ご説明いたします。また、秋の盛岡の魅力についてもご紹介できればと考えております。
【顔学オンラインサロン申込み】
https://www2.jface.jp/salon/php/salon_entry/index.php