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トピックス2025.04.30

【IFSCC 2025】フランスは本気で "Future is Science" を考えている!!!

IFSCC 2025 カンヌ大会情報の第4弾。417日にアップしたブログ IFSCC2025カンヌ大会のぶったまげ情報! で、「どうやら日本人の口頭発表採択が極度に少ないようだ」とお知らせしましたが、独自調査の結果、本当に少ないことが発覚!そこで、その理由を考察する前に、まず今回は、現時点で公表されている情報から「カンヌ大会が目指すCongress」を紐解きたいと思います。

今回のカンヌ大会のテーマは“The Future is Science-未来は科学”。学術発表のテーマや、基調講演、その他のセッションのテーマを見ると、「科学こそが未来を切り開く」という強い想いが伝わってきます。

学術発表のテーマ https://ifscc2025.com/en/program/at-a-glance
3日間にわたって行われる学術発表のテーマをみてみると“WELLBEING”, “HOLISTIC”, “DIVERSITY”, “PERSONALIZATION”という、最新の化粧品トレンドを反映したサブテーマが設定されており、それぞれに ”Let’s show that the Future is Science, because…” 「未来は科学であることを示しましょう」というメッセージから始まる説明が記されています。

Out of the Box キックオフ講演 https://ifscc2025.com/en/program/out-of-box
毎日の学術発表が始まる前に「イノベーションを起こそう:『既成概念にとらわれない』発想で、境界を超えて考えよう」というテーマで“Out of the Box”というセッションが組まれています。これまでの“箱”から飛び出してイノベーションを起こそう!という意気込みが伝わってきます。基調講演 https://ifscc2025.com/en/program/keynote-speakers
基調講演は多様な分野の6名の専門家を招聘して興味深いテーマが設定されています。6名の専門家は、男性3名、女性3名で、ジェンダーバランスも考えているのでしょうね。
Round table https://ifscc2025.com/en/program/round-table
さらに2日目の17時から、宇宙開発と化粧品をテーマにした座談会が企画されています。
星に手を伸ばせ:化粧品の未来を拓く宇宙研究-化粧品イノベーションの次なるフロンティアは地球の外にあるのか?」と題して、宇宙研究が化粧品分野にもたらす未知の可能性について探ることを目指しているようです。宇宙機関、軌道上の実験施設、そして微小重力という極限環境を利用した実験の新しい機会について紹介しながら、宇宙と化粧品研究に共通する課題とシナジーを議論すべく、5名の宇宙研究の専門家(企業からはMEDES1)SpacePharma2)Interstellar Lab3)社の方々、そして、フィレンツェ大学臨床生物医学科の重力生物学の先生、欧州宇宙局の方)が招聘されています。モデレーターは、IFSCCの理事&カンヌ大会の副会長で、実質的に本大会を仕切っていると思われるDr. Isabelle Castiel (ロレアルの人)が務められます。彼女は皮膚薬理学(dermo-pharmacology)の博士号をもつ研究者で、化粧品のイノベーションに掛ける想いは強く、いつもご自身の研究をすごく楽しそうに語ってくれます。

1)MEDES社 (フランス)MEDES – Medes
宇宙研究の成果をヘルスケアの分野に適用することを目指しているトゥールーズ に拠点を置く経済団体。
MEDES – Institute for Space Medicine and Physiology
2)SpacePharma(スイス・イスラエル)https://www.spacepharma.health/
衛星に搭載して、地上からリモートコントロールで各種実験を行うことができる「ミニラボ」を開発し、
微小重力(マイクログラビティ)環境での実験を身近にしたベンチャー企業。
3)Interstellar Lab(アメリカ・フランス)Interstellar Lab
長期宇宙飛行中の宇宙飛行士の食事と栄養補給を支援するプロジェクトでNASAの最優秀賞を受賞したスタートアップ企業

このように、全体のプログラムを通じて、一貫して未来に向けての化粧品イノベーションを探ることを目標にしていることが良くわかります。特に、ラウンドテーブルの宇宙開発と化粧品イノベーションの議論はなかなか面白そう!!2日目の夕方は絶対ラウンドテーブルを聴きに行きたいと思います。楽しみです。今回のカンヌ大会は未来の化粧品を考えるヒントが転がっている予感がプンプンしますので、発表されない方も情報収集のために参加されることをおススメします。(IFSCCフェロー  南野美紀・神田不二宏)

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