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客員教授からの
お知らせ

トピックス2025.10.19

海外展示会参加報告 ~化粧品業界の広がりと可能性~

 

2025年10月1日~2日にかけて、インドネシア・スラバヤで開催された化粧品原料の展示会に参加しました。インドネシアは平均年齢が29歳と非常に若く、活気に満ちた国です。働き手が多く、消費意欲も高いため、今後の成長が期待される有望な市場として注目を集めています。

展示会では、イスラム教徒が多数を占めるインドネシアならではの「ハラル対応」が重要なテーマとなっており、豚や動物由来の原料は使用できないという厳しい制約があることを改めて認識しました。こうした宗教的背景を理解し、現地の文化や価値観に寄り添った製品開発の必要性を強く感じました。

会場には日本企業も多数出展しており、インドネシア市場の可能性を見据えた積極的な取り組みが印象的でした。現地の研究者や処方開発者たちは、日本の原料メーカーや商社の説明に真剣に耳を傾け、自らの技術力向上に熱心に取り組んでいました。彼らの多くが若く、また対応する日本企業の担当者も若手が中心であったことから、若い世代同士による活発な技術交流が行われていたのが印象的でした。

この展示会を通じて、化粧品業界は「すそ野の広い産業」であり、世界へと広がる「非常に可能性のある産業」であることを改めて実感しました。原料メーカー、処方開発者、商社、研究者、マーケティング担当など、さまざまな分野の人々が関わり、それぞれの専門性を活かして活躍しています。

また、日本の若者が現地で起業し、日本の化粧品業界を盛り上げようと精力的に活動している姿にも感銘を受けました。さらに、海外で活躍する多くの日本人が英会話力を身につけ、現地の方々と積極的にコミュニケーションを取っている様子から、語学力が技術や知識を伝えるための重要なツールであることを再認識しました。

これから社会に出る皆さんには、ぜひこのようなグローバルな舞台での活躍を目指し、明確な目標を持って学び続けてほしいと思います。化粧品業界には、国内外を問わず、皆さんの力を発揮できる場が数多く存在しています。                       (前山 薫)