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客員教授からの
お知らせ

トピックス2023.06.15

自画像を描こう 〜中学校美術科の学習

顔学トピックス 

自画像制作にはどのような意味があるのか

 

顔学オンラインサロン(第47回)66日は、那須弘子先生(元愛知県美術科教諭)に、中学生の自画像制作の学習についてお話しいただきました。那須先生は、長年中学校の美術教員をされていたご経験から、美術科学習の進め方や自画像を描くということに対する中学生の反応など、現場でしか感じられない貴重なお話をしてくださいました。

自撮りやインスタグラムで自分を主張したいはずの近年の中学生ですが、美術科の授業で自画像を描くとなるとほとんどの生徒が、「キャーやめて!」「自画像なんかイヤー!」と、拒絶反応を示したそうです。自画像制作は、3年生の2学期後半、進路がほぼ決まった時期に行っているそうで、学習の進め方にも那須先生なりの工夫をされていました。

まず、ゴッホなどの自画像について、画家の境遇や時代背景、心情も意識しながら読み解く授業を行ったあと、自分の顔全体が映る大きめの鏡を各自に用意して、定規で自分の顔とそのパーツである目頭から目尻、鼻や口などの寸法を測り、形も記録。細かい部位を正確に測るには集中力が必要で、顔を見るのが恥ずかしいと思わせずに、計測に集中させるのが決め手だそうです。その後、自画像制作に入ったそうです。生徒らからは、自分の顔をこんなにじっくりと見たのは初めてという感想も出たそうです。その年ごろでしか感じられない自分というものを意識し、自分と向き合うことが、自画像を描くということなのだと感じました。

今回も顔について大切なものを感じるお話が聞けました。顔の奥深さですね。次回7月の顔学オンラインサロンは、「集中線は驚きを強める ―マンガ表現の心理学」のテーマで本多明生先生(静岡理工科大学情報学部准教授)に話題提供していただきます。ぜひご参加ください。

【顔学オンラインサロン(第48回)のお知らせ】

7月の顔学オンラインサロン(711日)は、静岡理工科大で心理学の教鞭を執られている本多先生に、マンガの効果線がどのように顔印象に影響を与えているかお話いただきます。漫画には人物の顔の周囲にさまざまな種類の線描が描かれています。その効果線が人物から受ける表情認知にどのように作用するのかは興味の尽きないところです。

顔学オンラインサロンは夕食後に気軽に、顔そして顔学について語り合う場にしたいと思っております。非会員の方の参加も歓迎します。

 【日時など】

日時:2023711日(火)20時から(1時間半程度を予定)

会場:Zoomというオンライン会議システムを用いておこないます。

 【話題提供】

テーマ:集中線は驚きを強める ―マンガ表現の心理学

話題提供:本多 明生 (静岡理工科大学情報学部准教授)

趣旨:マンガでは、キャラクターの動き、心理描写等を表現するために効果背景と呼ばれる演出技法が使用されています。私は、効果背景の一種である集中線に注目して、線画表情の感情認知への影響を実験的に調べました。 結論はタイトルの通りなのですが、今回のオンラインサロンでは、その研究の内容についてご紹介します。

顔学オンラインサロン申込み

【客員教授 菅沼薫】

那須先生と話題資料の表紙


那須先生考案の自画像制作手順