トピックス2020.05.21
エタノール100％では、十分な消毒効果を発揮しないのはなぜ？
皆さま、こんにちは。客員教授の神田です。Stay homeとなって久しいですが、いかがお過ごしでしょうか？そのせいで日頃よりちょっと暇になったので色々なことを考えるようになりました。最近南野先生が掲載した「コロナ対策 ハンドジェル物語（２）エタノールの効果」を読んでいたところ、１００％エタノール（無水エタノール）では消毒効果が発揮されない、との興味深い記載がありました。何故だろう？１００％だったらいかにも効きそうなのに、と急に知りたくてたまらなくなったのですが、今更南野先生には恥ずかしくて聞けず（笑）、こういうときこそのインターネットだと思い、調べてみることにしました。
調べてみると、いろいろな説があり、たとえば・・・１００％エタノールだと殺菌効果を発揮する前に皮膚上ですぐ揮発してしまうからというシンプルな説明から、水が存在しないと殺菌効果を発揮するためのエタノールとのクラスター構造が形成されないためなど・・・幾つかの説が登場する一方、本当のところはまだわかっていないという記載もありました。様々な濃度のエタノール水溶液の殺菌効果につき詳しく説明している下記文献が参考になりますので、ご覧下さい。
https://www.kao.co.jp/pro/hospital/pdf/08/08_05.pdf
気になったことはすぐ調べて、フリータイムを有効に活用されてはいかがでしょうか？ （神田不二宏）