トピックス2022.06.20
顔学トピックス「男性の魅力とメーキャップ」二人の話題提供者が興味深い研究のお話をされました。
6月の日本顔学会「顔学オンラインサロン」のテーマは、「男性の魅力とメーキャップ」。
これまでになく大盛況で70名を超える方が参加されました。
話題提供者の一人、阿部恒之先生(東北大学)は、心理学的手法を用いてメイクアップ効果を検証されています。その人らしいメイクアップをした男性の顔は、当事者に大きな気持ちの変化が起こり、喜びや高揚感、エネルギーがアップした感じがしたということでした。また、男性の素顔とメイク顔を他者が見た場合、信頼性、リーダーシップ、魅力が向上したそうです。とくに女性の評価が高かったそうです。男性のスキンケアやメイクアップは、他者にも好ましい印象を与えることが出来ると思われます。このような効果があれば、若い人を中心に男性化粧品市場が活発になっていることには大いに頷けます。
二人目は竹原卓真先生(同志社大学)で、「顔魅力と男性の魅力」についてVTRでご自身の顔を大きく見せながらお話しされました。話の内容も興味深いことばかりでしたが、初めは眼鏡をかけた先生の顔が、いつのまにか眼鏡がなくなり、眉が濃くはっきりして見え、顔立ちがくっきりしてきたことに気づきました。話し終わってZoom画面になったときに、先生の顔画像が素顔からメイク顔になっていったという種明かしがありました。参加者の何人かは竹原先生の顔の変化に気が付いたようでしたが、分からなかった人も多くいました。他者は顔を見ているようで、そこまで詳しくは見ていないということなのかもしれません。
男性も眉の手入れや色を足す、シミを隠すというようなナチュラルなメイクアップなら、とくに他者に気づかれず顔の魅力を上げることができるといえます。女性同様、男性もいろいろ楽しんでもらいたいと感じました。
交流会では多くの参加者から様々な感想が聞かれ、今回の顔学サロンも楽しく過ごすことが出来ました。
次回の顔学オンラインサロンは、
2022年7月12日(火)20時から
テーマ :優しい(=tender)ぬいぐるみの表情表現
話題提供:廣田 路子 (stuffed toy designer)
廣田路子先生は、80年代から今日まで、ぬいぐるみの企画開発、制作を行なってこられました。子どもや人々に愛されるぬいぐるみへと3D化する難しさとはどのようなところにあるのでしょうか? ぬいぐるみのもつ意味から顔のデザインの難しさまで制作者の視点からお話いただきます。
「顔学オンラインサロン」 https://www.jface.jp/jp/online は、毎月1回火曜日の夜20時から90分、オンラインで開かれています。日本顔学会の会員でなくても無料で参加できます。
「顔」に関する様々な話題提供者の話を視聴したあと、参加者同士気軽に意見交換することができます。みなさまもぜひ参加してみてください。
客員教授 菅沼薫