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Cosmetic Science

客員教授からの
お知らせ

トピックス2022.07.26

化粧品の使用感評価法あれこれ

(4)マスカラ

今月はメイクアップ化粧品の中でも、目元をくっきり大きく、立体的に見せ、自然で美しい印象にしてくれるマスカラの使用感評価について考えていきましょう。

マスカラは、まつ毛に塗布して、まつ毛を濃く、長くし、上向きにカールさせるなどして、目元の美しさと表現力を高めるために用いるまつ毛化粧料といわれるものです1)

マスカラはマスカラ剤とブラシ部の形や構造によって、まつ毛への塗布感や仕上がり感が異なります。製品訴求としては、ロング、ボリューム、カールの3タイプあり、使う人のまつ毛の生え方や仕上がりの好みによって選択することができます。

 

選び方と使い方ですが、私はブラシ部がコームタイプとストレートタイプの2本合わせ使いしています。まずはコームタイプのマスカラで根元からしっかり上げて、仕上げとしてストレートタイプのブラシ部でまつ毛をセパレートさせながら広げます。こうすると、ダマにならず、適度にボリューム感が出て、根元からすーっと上向きにカールしたまつ毛に仕上がります。

 

このように、自分のなりたい目元、まつ毛になるマスカラ選びが大事です。また、根元からしっかり均一に塗布したり、上向きにカールさせたりするためには、ブラシ部の動かし方にもコツがあって、そのため上級のテクニックが必要といわれています。しかしながら、はみ出したり、まわりに付いたりしたときは、すぐに綿棒を使ってぬぐうこともできますから、思い切ってチャレンジしてほしいメイクアップ化粧品です。

 

マスカラの使用感評価では、ヒトによる官能評価はもちろんのこと、アイラッシュや羽根、毛足が長めの毛皮などを用いて、塗布感や仕上がり感の比較をしましょう。

■マスカラの使用感評価項目とモデル試験法

ボリューム感     透明アイラッシュ(つけまつ毛)や羽根に塗布して観察

ロングラッシュ感   色付きアイラッシュに塗布し、伸びた長さを測る

カールアップ感    細くカットしたウサギ毛に塗布してカール角度を測る

均一塗布できるか・束にならないか 羽根に塗布して観察

乾きやすさ      アイラッシュに塗布して乾くまでの時間をチェックする

擦り強さ       塗布したアイラッシュを紙に挟み、軽い力で滑らして落ちを確認する    

耐水・耐油性     塗布したアイラッシュに、水、油を滴下して落ちやにじみを観察する

 

参考1)日本化粧品技術者会SCCJ化粧品用語集 

参考2ハルメクWEB菅沼薫の美容講座「50代からの女性のアイメイクをきれいに仕上げるコツ」

★官能評価法については、ワンポイント講座「化粧品の官能評価」を参照ください。

 

2022年度ワンポイント講座「化粧品の使用感評価法あれこれ」掲載予定

4月 はじめに 化粧品の使用感評価の考え方

5月 ファンデーション

6月 ベースメイク シミ・クマ消しコンシーラー

7月 マスカラ

8月 口紅 ←次回

9月 洗顔料

10月 クレンジング剤

11月 化粧水・美容液

12月 クリーム

1月 UV防御化粧品

2月 ヘアケア化粧品

3月 化粧品の使用感評価のまとめ