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Cosmetic Science

客員教授からの
お知らせ

トピックス2021.02.02

菅沼薫の化粧品官能評価ワンポイント講座(10)官能評価結果のまとめ方(最終回)

項目順にすべての評価値と平均値を図に示し、使用感の特徴や優劣を確認する。

 

試験が終わったら、まずは結果を目に見える形にします。使用試験の項目順にすべての評価値と平均値をグラフ図にします。それによって、パネル間のばらつきや傾向がわかります。ばらつきの大きい項目は、パネルの感覚感度の差なのか、項目の分かりにくさなのか、どちらかかもしれません。また、ある程度訓練されたパネルの場合でも、パネルによってはすべてに高めの値を示す人や低めに示す人がいます。評価の質量傾向がほぼ同じパターンを示していれば、平均値を求めてグラフ化することでサンプル間の差が明確になります。さらに、総合評価と各項目の相関係数を求めることで、どの項目が重要視されているのか、大事な項目における製品の優劣が確認できます(使用性評価)。

評価する製品数が多い場合には、官能評価で得られたすべてのデータを用い主成分分析を行います。寄与率の高い因子を選び、第1因子×2因子、第1因子×3因子の平面図を作成することで、製品の特長とその分布が分かります

使用感の特徴や優劣を確認する

使用試験の項目順にすべての評価値と平均値をグラフ図にします。

 

 「化粧品の官能評価ワンポイント講座」は、今回が最終回となります。10回にわたりご覧いただきまして、ありがとうございました。ポイントをつかんで今後の化粧品開発に生かしていただければ幸いです。

 

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