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トピックス2022.09.19

第32回 国際化粧品技術者会連盟世界大会(32nd IFSCC Congress)いよいよ開催!!

      9月17日のウェスト ミンスター教会                    ( 撮影:現地参加のU子さん)

世界の化粧品技術者のための最大の祭典であるIFSCC Congress32回目を数え、919日から22日までの4日間、英国の首都ロンドンにて開催されます。パンデミックの影響で2020年の横浜大会(日本)に引き続き2021年のカンクン大会(メキシコ)もオンライン大会となってしまったため、国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)の世界大会は2019年のミラノ大会(イタリア)以来3年ぶりにリアルで開催されることとなりました。主催者である英国化粧品技術者会(SCS)は9月19日の英国女王の国葬と大会のオープニングの日程が重なってしまったため、土壇場で幾つかのイベントの日程や場所の変更を余儀なくされ、調整に「てんやわんや」だったようですが、何とか無事開催に漕ぎつけられそうな模様です。

大会内容の最終案内が公開されましたFinal announcementダウンロード)。大会のメインとなる学術発表については口頭発表が11のセッション(研究分野)より構成され、各セッションの基調講演以外に合計78件の一般演題が予定されておりプログラムの詳細(発表者名、所属、演題名、国籍、発表会場、時間割)が確認できます。ポスター発表については3日間に割り振られた15のセッション(研究分野)名のみが開示されており、詳細については明らかにされていませんが、恐らく合計300以上のポスターが発表されるものと考えられます。

 口頭発表のプログラムをみたところ、日本からは8つのセッションに渡り、計13件(化粧品メーカー10件、サプライヤー2件、大学1件)の一般演題が予定されており、これは国別には2番目に多いことになります。では1位はどこかというとフランスで、9つのセッションに渡り計22件の発表が割り当てられています。研究領域の多様性においても合計の演題数においても日本はフランスに後塵を拝しています。かつてはIFSCCの中でもフランスを含め他国を寄せ付けない質量ともにサイエンスのトップに君臨していた日本ですが、ここ何年かその座をフランスに奪われるようになりました。是非日本としては近く巻き返しを図りたいところです。今回特に目立っているのが大学の台頭です。一般演題だけでも12件、基調講演を含めると合計18件の発表が世界中の大学から予定されており、IFSCCの活動を何年もフォローしてきた私ですが、これほど大学からの貢献度が高かったことは今までありませんでした。IFSCC大会は昔から参加費が高額であることで有名ですが(笑)、恐らく2回に渡る参加費が安いオンラインのIFSCC大会を通じ、大学からも参加がし易くなったこともその一因ではないかと思います。因みに今大会は原則リアルですが、オンラインでも参加できるハイブリッド仕様となっています。

オンライン参加が可能とはいえ参加費が結構高いですが、最新の化粧品科学にアクセスできますので興味のある方は参加をご検討下さい。また、オンデマンドで90日間は大会終了後も発表コンテンツを閲覧できますので、最新の化粧品科学をゆっくり勉強できるというメリットもあります。なお、121日・2日(木・金)には東京で「第89SCCJ研究討論会」と「IFSCC2022ロンドン大会国内報告会」が日本化粧品技術者会(SCCJ)主催で同時開催されるので、ロンドン大会で日本人が発表した研究を「日本語」で聴講することができます。日本人が日本の最新研究を知ることも大切だと思いますので、こちらのイベントも活用してください。(神田不二宏)