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客員教授からの
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トピックス2022.09.26

2022菅沼薫のワンポイント講座「化粧品の使用感評価法あれこれ」

(6)洗顔料

洗顔料は、皮膚を清潔にするための化粧料ですが、あらかじめ素洗いした顔に泡立てた泡を広げ、余分な皮脂や汚れとなじませて浮き上がらせ、ぬるま湯ですすいで汚れを除去します。洗いあがった皮膚は、さっぱりとした感触になりますが、乾燥やツッパリ感などを感じることがあります。

化粧品の使用感評価法あれこれ

洗顔料は洗浄力と皮膚感触の両面から

洗顔料を泡立てるのは、水を混ぜて洗浄成分を細かく分散させて、皮膚に吸着しやすい界面活性剤の濃度を下げ、均一にして、界面活性剤による皮膚刺激を弱める働きがあります。さらに、泡がクッションになって顔面皮膚との摩擦を低減させることができます。

ということで、洗顔料にとって泡立ちスピードや泡の質、量は、製品の使い心地に影響するので重要な評価項目となります。泡立て評価の際は、同一人が同一の動作で実際に洗顔するように手掌で泡立てた泡を観察します。(写真:手掌で泡立てている様子)人によって泡立て方に差があるかは、あらかじめ調査しておくと良いでしょう。

泡立てネットや泡立て器など、道具を用いて泡立てた泡感触の差も調べてみると良いと思います。

また、すすぎ時の感触や洗い終わった後の皮膚感触にも製品間で特長が大きく異なりますのでチェックしましょう。皮膚感覚の評価は、官能評価に勝るものはありません。そのため、官能評価で製品の特長をつかんでから、類似のモデルがないか、数値化や画像化できないか検討します。

洗浄力は、洗浄の強弱の他、汚れの種類によって落ちやすさに差がないかを見ることになります。近年の洗顔料は、皮膚バリア機能の維持に大切なNMF(天然保湿因子)や細胞間脂質は残し、表皮の汚れを選択的に除去できるよう設計されているものもあります。

このように洗顔料は、洗浄力と皮膚感触の両面から使用感評価を考えていきましょう。

メイクアップを落とす洗浄剤(クレンジング剤)の評価方法については次回にお話しします!

 

■洗顔料の評価項目例

泡立ちスピード(速い、遅い)

泡の量(多い、少ない)

泡の質(きめ細かさ、なめらかさ、柔らかさ、ふんわり感、弾力感、泡持ちの良さ)

洗浄力(汚れ落ちの良さ)

すすぎやすさ(泡切れの良さ、ぬめり切れの良さ)

洗い終わった後の感触(すっきり感、しっとり感、ふっくら感、ツッパリ感、かさつき感)

 

参考1)日本化粧品技術者会SCCJ化粧品用語集 

洗顔料 [face cleansing cosmetic cleansing]

参考2)ハルメクWEB菅沼薫の美容講座「泡は乗せるだけじゃダメ!おすすめの洗顔方法

★官能評価法については、ワンポイント講座「化粧品の官能評価」を参照ください。

2022年度ワンポイント講座「化粧品の使用感評価法あれこれ」掲載予定

4月 はじめに 化粧品の使用感評価の考え方

5月 ファンデーション

6月 ベースメイク シミ・クマ消しコンシーラー

7月 マスカラ

8月 口紅    

9月 洗顔料  

10月 クレンジング剤←次回

11月 化粧水・美容液

12月 クリーム

1月 UV防御化粧品

2月 ヘアケア化粧品

3月 化粧品の使用感評価のまとめ