トピックス2022.10.26
2022菅沼薫のワンポイント講座「化粧品の使用感評価法あれこれ」
(7)クレンジング剤
今回は、メイクアップを落とす洗浄剤(クレンジング剤)の評価方法についてお話しします。
クレンジング剤には、クリーム、ミルク、ローション、オイル、ジェルのほか、洗浄剤を含侵させたシート状などの形態がありますが、いずれもメイクアップ化粧料を素早く落とすための洗浄用化粧料です。メイクアップ化粧料には、顔料のほか基剤である油分や保湿剤等が含まれ、親水性の成分のほかに、マスカラやアイラインなどのように耐水性の成分を多く含んだものもあります。そのため、耐水性成分まで落とすアイメイクアップリムーバーのような目元メイク専用もあります。
クレンジング剤の評価は、メイク化粧料の落ちの良さが重要ですが、化粧品としての皮膚や眼球への刺激があってはいけません。そのために、使用中、使用後にも「刺激のなさ」等を評価します。これらの刺激や皮膚感覚に関する評価は、ヒトによる官能評価で確認することができます。
また、洗浄力(メイク化粧料とのなじみの良さ、落ちの良さ)は、前腕内側や皮膚の表面形状を模したシリコンシートなどを用い、各種のメイク化粧料を塗布したあと2時間以上放置後に、試験品を通常使用条件で塗布し、手指で軽く擦るなどしてなじみの良さや落ちの良さ等を評価します。
次回、来月は「化粧水・美容液」の評価について、説明します。
■クレンジング剤の評価項目
洗浄力(メイク化粧料とのなじみの良さ、落ちの良さ)
油成分、耐水成分、顔料等に対応した試験
使用中の皮膚および眼球への刺激のなさ
すすぎやすさ(製剤の落ちの良さ、ぬめり切れの良さ)
洗い終わった後の感触(すっきり感、ツッパリ感のなさ、かさつき感のなさ、刺激のなさ等)
参考1)日本化粧品技術者会SCCJ化粧品用語集
洗顔料 [face cleansing cosmetic、 cleansing] クレンジング剤も含まれます
参考2)ハルメクWEB
菅沼薫さんに聞く、今の自分に合う美容法(6)「オススメのタイプ、正しいクレンジングとは?」
★官能評価法については、ワンポイント講座「化粧品の官能評価」を参照ください。
■2022年度ワンポイント講座「化粧品の使用感評価法あれこれ」掲載予定
4月 はじめに 化粧品の使用感評価の考え方
5月 ファンデーション
6月 ベースメイク シミ・クマ消しコンシーラー
7月 マスカラ
8月 口紅
9月 洗顔料
10月 クレンジング剤
11月 化粧水・美容液 ←次回
12月 クリーム
1月 UV防御化粧品
2月 ヘアケア化粧品
3月 化粧品の使用感評価のまとめ