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客員教授からの
お知らせ

トピックス2024.05.27

東京理科大学オープンカレッジ講座2024で今年も「化粧品とビジネスアライアンス」の講義をしました

今年も東京理科大学オープンカレッジビジネス講座で「化粧品とビジネスアライアンス」の講義を5月18日(土)に行いました。昨年も同時期に講義をし、早1年が経ったことに愕然としてしまいましたが、今年は会場とウェブを合わせて参加者は20名を超え、今までで一番多かったことを大変嬉しく思っています。

 「オープンイノベーション」でない「イノベーション」は最近皆無であると考えられますし、業界内や異業種のパートナーとアライアンスを組んで仕事をすることも昨今当たり前となっていることを考えると、既に死語のようになった用語の解説を含めた座学は徐々に意味をなさなくなってきましたので、今年は思い切って新しい内容を加えることにしました。

 実際進行しているビジネスアライアンスに関してはどのようなプレーヤー間でコラボが行われているかの事実すらも極秘事項である場合が多いので、成功・失敗にかかわらず、その内容が公になることは稀です。一方で、受講者の方々にとって最も参考となるのは実例の紹介です。苦肉の策として仮想のアライアンスを想定し、その場合当事者にどのようなメリットがありそうかの紹介も今まで行ってきたのですが、これも飽くまで「仮想」の話ですので説得性に欠けることは否めません。

 そこで新たな試みとして、昨年開催されたIFSCC(国際化粧品技術者会連盟)のバルセロナ大会にて見事に最優秀賞(口頭最優秀賞2つと最優秀ポスター賞)を受賞した3報のペーパーにつき解説をしました。というのもその3報はいずれも企業と大学による共同研究に関するもので、企業ならではの強みと大学ならではの強みを組み合わせたシナジーがそれぞれ単独では成し得なかった成果を生み出すことに成功したのです。我々パーソナルケアの業界では大きな括りとしてメーカー、サプライヤーとアカデミア(大学)の3つのプレーヤーが存在し、どれも業界にとっては必要不可欠です。今後もIFSCC世界大会での発表内容から3つのプレーヤーによるアライアンスの実例を抽出しようと考えています。(神田不二宏)