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Cosmetic Science

客員教授からの
お知らせ

トピックス2020.06.12

コロナ対策 ハンドジェル物語(3)

■スキンケア効果を持つ手指消毒剤■

自粛生活が徐々に解除されて気がつけば梅雨の季節がやってきましたね。感染防御のための新しい生活習慣とおそらく気温と湿度のおかげで、感染の勢いが鈍くなってきているのではないかと思います。しかし、ワクチンや治療薬ができるまでは安心は禁物ですので、うがい、手洗い、外出時のマスク、手指消毒はしっかりしましょう。

一時のエタノール不足も解消され、消毒用のエタノール製剤が普通に購入できるようになってきましたが、おかげさまで、4月上旬から供給をはじめたハンドジェルも好評で、「手指がつるつるする」「かさつかない」や「香りも良い」といった評価をいただいています。カサカサした皮膚にはウイルスがとどまりやすいと推測できるので、ヒアルロン酸、アロエエキス、グリセリンを配合し保湿を強化するとともに、ストレスから少しでも解放してもらえるようにラベンダーオイルを配合しているのですが、商品に託したこの想いが、使っていただく方にも伝わっていることが実感でき、とても嬉しいです。こういう実感が化粧品技術者の醍醐味なのです(^^)/

世界的な感染の広がりから、海外でも「スキンケア効果を持った手指消毒剤」というコンセプトの商品がではじめています。アメリカのとある会社では、75%のエタノール(アメリカではAlcohol=エタノールです)で消毒、グリセリンで保湿、レモングラスとティーツリーオイルでアルコールの臭いを抑えた手荒れをしないハンドジェルの販売を開始したということが記事になってます。「レモングラスとティーツリーの香りはアメリカ人には受けるだろうなぁ」と思いながら、「やっぱり日本ではラベンダーよ!」などと一人つっこみを入れたりして、同じようなことを考えている技術者に想いを馳せています。
■記事はこちら ➡ What is Skin Care-based Hand Sanitizer All About?

どの国においても、まだまだ気を緩めてはいけませんが、化粧品屋もようやく「消毒」だけに留まらず、その先の化粧品らしい付加価値まで発想を広げる余裕が持てるようになってきたのは嬉しいことですよね!
(おわり)

■バックナンバー
コロナ対策 ハンドジェル物語(1)ハンドジェルの開発

コロナ対策 ハンドジェル物語(2)エタノールの効果

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エタノール100%では、十分な消毒効果を発揮しないのはなぜ?(神田先生)