トピックス2021.01.07
菅沼薫の化粧品官能評価ワンポイント講座(9)官能評価パネルの選定
モデルサンプルを用いて使用感の差を認識できるかチェックしましょう。
官能評価分析型パネル(専門パネル)を選定するときに用いるサンプルは、自社で基準になるサンプルを処方作成する方法もありますが、簡易な方法としては、自社および市販の「しっとり」、「さっぱり」などの使用感タイプが異なる化粧水、乳液、クリームを用います。さらに感触差と識別能力を同時に調べる方法として、味覚判定の際によく用いられる3点法という同じもの2点と異なるもの1点を用意し、同じサンプルはどれかを答えさせ、さらに1点と2点の感覚の違いと好みを答えさせることで、認知精度の確認と感触の理解力を同時に調べることができます(官能評価コラム9パネル心得)。
選ばれたパネルは、さらにいろいろな化粧品に触れ、経験を積むことで優れた専門パネルに育成されます。また、化粧品の塗り心地は不易流行のごとく、いつの時代も好ましいと感じる感触と、時代が求める新しい感触へと変化するものがあります。専門パネルとして、精度の高い感覚を維持しながら、それらの変化も読み解けるようになったら素晴らしいですね。
今後の予定
- 官能評価とは
- 触感と感覚点
- 触れる、触れられること
- 官能評価試験の種類
- 官能評価の注意点
- 官能評価項目の決め方
- 官能評価尺度、程度量的表現
- 官能評価アンケート用紙の作り方
- 官能評価パネルの選定
- 官能評価結果のまとめ方 ←次回2月は最終回です。