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客員教授からの
お知らせ

トピックス2026.11.01

IFSCC2026の無料Webinarを終えて…AIの盲点を発見!

本ブログでも度々紹介させていただき毎年開催しているIFSCCセミナーが昨日(10/30)無事終了し、視聴者の方々にはパース大会の概要がお判りいただけたのではないかと思っております。新企画も含めた情報テンコ盛りのその模様はまた別のブログで近日中に南野先生と紹介させていただきます。 

従来IFSCC大会では口頭発表のペーパーに対しては基礎部門と応用部門のそれぞれから1報ずつ、ポスター発表のペーパーに対しては1報のみに最優秀賞が授与されていたのですが、今年のパース大会からルール改正があり、ポスター発表に対しても基礎部門と応用部門を設け、それぞれから一報ずつ最優秀賞が授与されることとなりました。上記のIFSCCセミナーで私は口頭、ポスターの計4報の最優秀論文の解説を担当しました。

生物(いきもの)は大好きなのですが、生物系の学問の進歩についていくのが必死な(笑)私としては、最近のIFSCCの発表の中には難解なものが多いと感じており、今回の受賞作の多くもその例外ではありませんでした。そこでこれらのペーパーの理解の一助としてAIにサポートをいただいたのですが、その過程で思わぬAIの課題を発見しましたので、ご紹介したいと思います。

今までは具体的(曖昧でない)な探索とか翻訳にAIを使用していたので、ほぼ望みどおりのサポートが瞬時に得られていたのですが、フルペーパーの要点整理やフルペーパーから読み取れる著者の将来の展望など、多次元での「曖昧さ」満載な要求については今回次のような問題点に何度も遭遇しました。 

  • AIが自らの意思で先読みをし過ぎて本論からそれていく。
  • AIの空間認識能はそれほど強くない。

最初の①の「先読み」に関しては、AIの回答の中にペーパーにはない専門用語が頻繁に登場し、私の理解と明らかに異なる部分もあったので、その旨AIに問いかけると、独自の解釈で勝手に先読みしていた部分があったというAIからの謝罪があり、もっと素直な解釈を提案してきました。そのようなケースを何回か経験しましたので、やはりAIにはできる限り具体的な要求をしてキャッチボールを繰り返さないとならないようです。 

次に②の「空間認識能」に関してですが、AIが図を間違って解釈する場面が多いと感じました。どういうことかというと、例えばFig. 1の中に5つのサブセクションがあり、それぞれ(a), (b), (c), (d), (e)に割り当てられていた場合、AIは論文中で引用されているFig. 1(a)をFig. 1(b)と見間違えてしまう場合があるということです。確か昨年AIの画像判定アプリで「ツキヨタケ」という毒キノコが「シイタケ」と判定され、それを食べた人が食中毒を起こした事件がありましたが、AIの視覚的認識能にはまだまだ改善の余地がありそうです。
このような「躓き(つまづき)」が起きる度にAIとやりとりをしてかなり膨大な時間がかかり、こんなことならAIに頼らず最初から自力で頑張ればよかった(笑)と思ったりもしましたが、その過程でペーパーに対する理解も深まりましたし、何よりもAIの課題を発見できたことにより、その経験は次に活かせるのではないかと思います。いかにサポートの要望を具体的にAIに伝えられるかがAIを上手く活用するポイントだと改めて痛感しました。(神田不二宏)

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