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Cosmetic Science最新のトピック

客員教授からの
お知らせ

トピックス2022.04.19

2022菅沼薫のワンポイント講座 化粧品の使用感評価あれこれ

(1)はじめに 

化粧品の使用感評価の考え方

化粧品は何らかの目的のためにつくられたものなので、その目的が正しく達成されているかどうかを調べることが最高の評価になります。ということは、テストする化粧品が何のためにつくられて、どういう効果が期待されているのか、その使い心地はどうあればいいのか、さらにはどんな人が使うのか、使われる場所や時間、状態、順番や前後に何があるのか、細かく考えることが大切です。

そこで、まず行うことは、テストしたい化粧品に求められる性能、効果を重要度も踏まえてリスト化することです。その時、5W1Hを使ってみるとリスト化しやすくなります(図5W1H)。

5W1Hの図

5W1Hでリスト化すると

 

さらに、テストしたい化粧品を実際に使って感触をつかむことも同時に行います。化粧品ではヒトが感覚器官となって官能評価することが、手早く正しい評価につながります。どんな使用感ならその効果が発揮できているのか、使いやすいのか具体的な言葉に表します。それらのコツは、2020年化粧品官能評価ワンポイント講座のブログでお知らせしています。読み直したい方はそちらまでアクセスしてください。

 

評価を考える第二ステップは、具体的な評価手法を考えることです。これまでの文献も参考にして、リスト化したそれらの個別性能や効果を評価するのに適した試験法を探します。機器測定できるもの、代替物で試せるものかどうかも考えましょう。さらにわかりやすく伝える工夫として、画像、数値、グラフなどを使った「見える化」も視野に入れておくとよいでしょう。

 

このように、2022年度は各種の化粧品アイテムの事例をもとに、具体的な「使用感評価」について考えていきたいと思います。

実際に化粧品を使いながら評価方法を考えていきましょう。

 

2022年度ワンポイント講座掲載予定

4月 はじめに 化粧品の使用感評価の考え方

5月 ファンデーション

6月 ベースメイク シミ・クマ消し

7月 マスカラ

8月 口紅

9月 洗顔料

10月 クレンジング剤

11月 化粧水・美容液

12月 クリーム

1月 UV防御化粧品

2月 ヘアケア化粧品

3月 化粧品の使用感評価のまとめ