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Cosmetic Science

客員教授からの
お知らせ

トピックス2023.05.16

仏像のいいお顔  あなたはどのお顔が好きですか?

顔学オンラインサロン(第46回)59日は、東洋・日本美術史をご専門とされている長岡龍作先生(東北大学大学院 文学研究科総合人間学教授)に、仏像のお顔についてお話いただきました。

3月サロン「いい顔とは」で仏像の顔が話題になり、その続きとして仏像の専門家からお話を聞いてみようということになり実現しました。今回も30人を超える多くの方に参加いただきました。

図1:講演タイトルと長岡先生

図:講演タイトルと長岡先生

そこで、いつもとは趣向をかえて、専門家の解説を聴く前と後で「いいお顔」は変化するのか、参加者による「いいお顔の仏像」選挙を実施しました。

まず、参加者は5つの仏像の顔画像だけを見て好きな順位を入力、その後長岡先生のお話をお聴きして再度回答。

5つの仏像は以下のものです。

1 法隆寺夢殿 救世観音菩薩立像(飛鳥時代)国宝

2 東大寺戒壇堂 多聞天立像(奈良時代)国宝

3 神護寺 薬師如来立像(平安時代初期)国宝 定朝作

4 平等院鳳凰堂 阿弥陀如来坐像(平安時代後期)国宝

5 醍醐寺三宝院 弥勒菩薩座坐像(鎌倉時代初期)重要文化財 快慶作

 それぞれの仏像の歴史的背景や表情、作り方、如来と菩薩、観音の意味などを詳しくお聴きした後で再び投票したところ、好きな仏像の顔の全体的順位は変わらないものの、回答が微妙に変化しました。例えば、初めに1位にしなかった3,4の仏像の顔に、お話を聴いた後では1位にした人が増えたり、23位の投票数が変化したりしました。

さらに、話題のなかで、仏像胎内に仏舎利などの納入品が隠されていることがCTスキャンで発見されていることや、仏像のお顔や表情からその仏像が作られた時代の人々の願いを知ることもでき、ただ仏像を見るのとは異なり意味深く感じる機会となりました。

なお、いま東北歴史博物館では、東日本大震災復興祈念の「悠久の絆 奈良・東北のみほとけ展」(4/156/11)が開催されています。ご興味のある方は、ぜひご来館してみてください。

 

図2:東日本大震災復興祈念「悠久の絆 奈良・東北のみほとけ展」

図:東日本大震災復興祈念「悠久の絆 奈良・東北のみほとけ展」

 

次回、6月の顔学オンラインサロン(66日)は、愛知県で長年、中学校美術科の教員を勤めてこられた那須弘子先生に、中学生が自画像を描くことについてお話いただきます。

またまた興味深い内容になりそうです。顔学オンラインサロンは、日本顔学会会員の方はもちろん、非会員の方も参加できます。

顔学オンラインサロン(第47回)のお知らせ】 

【日時など】

日時:2023年6月6日(火)20時から(1時間半程度を予定)

会場:Zoomというオンライン会議システムを用いておこないます。

 

【話題提供】

テーマ:自画像を描こう 〜中学校美術科の学習

話題提供:那須 弘子(元愛知県美術科教諭)先生

趣旨:自撮りやインスタグラムで自分を主張したいはずの近年の中学生ですが、美術科の授業で自画像を描くとなるとほとんどの生徒が拒絶反応を示します。 一体その訳とは? 自画像制作にはどのような意味があるのでしょうか。美術科の学習「自画像制作」の事例を紹介します。

顔学オンラインサロン申込み

【客員教授 菅沼薫】