トピックス2023.05.22
祝🎊渡辺啓先生の投稿論文が最優秀論文賞を受賞🎊
2023年5月16日に日本化粧品技術者会(SCCJ)の総会が横浜で開催され、そこで日本化粧品技術者会誌の優秀論文賞の発表があり、我らが渡辺啓先生が資生堂在籍中に投稿された論文が、見事、最優秀論文賞を獲得されました。👏👏👏
渡辺先生はこれまで、数々の化粧品の新技術を世に出されており、例えば界面活性剤が形成するバイコンティニュアス相を応用した「手が濡れていても使えるクレンジング剤」や、「泡がメイクを溶かしだす、新規クレンジング剤」など、日本の化粧品製剤技術の発展にとても貢献されている化粧品業界の超有名人です。
今回受賞されたのは、『水ベースでメイクを落とすことは可能なのか?─新規スポンジ構造会合体による水系高洗浄力メイク落とし─』という論文です。(日本化粧品技術者会誌,2022 年 56 巻 3 号, p. 262-270)
近年、お風呂場でも使えるオイルクレンジングやクレンジングリキッドを使う人が増えてきている一方で、オイルフリーのクレンジングローションが、その手軽さもあってその市場を伸ばしています。しかし、これまでのクレンジングローションは、オイルクレンジングに比べて汗に強いメイクアップ品を落とす能力に限界がありました。今回、渡辺先生が受賞された技術は、この欠点を解決すべく、汚れを落とす機能をもつ界面活性剤の膜を網目状にしスポンジ相を形成させることで、油性の汚れをしっかり落とせる新しいタイプのクレンジングローションの開発に成功したものです。本論文は、まだ日本化粧品技術者会の会員しか読めませんが、今年12月5日(火)~7日(木)に埼玉県の大宮ソニックシティで開催される、日本化粧品技術者会 第1回学術大会で、受賞講演をされます。是非ともご参加いただき、渡辺先生のチームが開発された技術を知っていただければと思います。
実は渡辺啓先生のSCCJ最優秀論文賞受賞は今回で3度目で、
2018年に『新規ベシクル/ミセル複合体の相平衡制御による化粧水の高保湿性と心地よい使用感の両立』
2011年に『バイコンティニュアスキュービック液晶を形成する界面活性剤による高内相比W/O乳化』
で最優秀論文賞を受賞されています。こちらの論文は、オープンになっていますので自由に読んでいただけます。このほかにも優秀論文賞や最優秀発表賞、その他の学会でも多く受賞されています。
今年4月から赴任された武庫女でも、これまで世の中になかった新しい化粧品を生み出す研究を進めていただけるよう、我々客員教授もサポートできればと思っています。化粧品科学研究室の第2幕もとても楽しみですね💕(南野美紀)